EVレーサー 2013 2 3

RIDING SPORT 2012 12
ライディングスポーツ 2012年12月号

 普通は、レーシングマシン(レーサー)は、
ガソリンエンジンで作ります。
なぜかというと、ガソリンが最もエネルギー効率がよいからです。
 ところで、ガソリンではなく、
電動のレーサーを作ったら、どうなるか。
 当然ながら、エンジンはモーターだから静かで、
加速だって、新幹線と同じように、抜群でしょう。
 問題は、レースだから、アクセル全開にしないと、勝てません。
しかし、そうなると、一気にガス欠ではなく、
電池がなくなってしまうでしょう。
そこが難しい。
 さて、世の中には、これを空想ではなく、
実際に、EVレーサーを作ってしまった人たちがいるのです。
しかも、サーキットに持ち込んで、レースを始めてしまったのです。
 空想を空想で終わらせない。
不可能を可能とする。
それが技術者の魂というものです。
 もちろん、現実には、数多くの困難があります。
4輪と違って、バイクは2輪なので、
バッテリーを積む場所が少ない。
 もし、バッテリーを載せすぎたら、
バイクだから、バランスが悪くなる上に、
空気抵抗も悪くなります。
 しかし、不可能を可能にするのが、技術者の魂だから、
数多くの困難を乗り越えて、
多くのEVレーサーが集まりました。
マン島TTに。
 さて、意外に忘れがちなのが、熱対策です。
高出力のモーターは、水冷で冷やす必要があります。
 さらに忘れてはいけないのが、バッテリーの冷却です。
日本から参加したEVレーサーには、
50kgの大型リチウムイオンタイプを二つも搭載しているからです。
 従来型のバッテリーならば、心配ありませんが、
リチウムイオン電池は高性能だが、何があるかわかりません。
まさかレース中に火事になったら、本当に大事です。
考えてみれば、心配事だらけです。
 それでも技術者の挑戦は続く。
なぜならば、空想を空想で終わらせない。
不可能を可能とする。
それが技術者の魂だからです。
 実は、この雑誌は、今年の正月に読んで、
興味を持ったので、このサイトで、
1月6日に書評として掲載するつもりでしたが、
何かと忙しくて、すっかり忘れていました。

MotoGP 2012 8 4
 2012年8月2日のニュースでは、日本の電機メーカーが、
2013年3月期の連結業績予想について、最終(当期)赤字を、
従来予想の300億円の赤字から2500億円の赤字へと、
大幅に下方修正すると発表しました。
 このニュースを聞いて、
多くの日本人は、驚くと同時に、
「日本の製造業は、もう、だめか」と思ったでしょう。
 しかし、日本の製造業すべてが不振ではないのです。
MotoGPというと、知らない人が多いでしょうが、
これは、自動車のF1グランプリのオートバイ版だと思ってください。
 最新のライダー・ランキングは、以下のとおりです(2012年8月4日当時)。
1位 ロレンソ(ヤマハ)
2位 ペドロサ(ホンダ)
3位 ストーナー(ホンダ)
4位 ドヴィツィオーゾ(ヤマハ)
5位 クラッチロー(ヤマハ)
 これは、日本の国内選手権ではありません。
世界選手権であり、ライダーは外国人になっています。
 電機という分野では、
韓国メーカーや台湾メーカーが強いでしょうが、
MotoGPという分野では、圧倒的に日本のメーカーが強いのです。
 230馬力以上というV型4気筒エンジンを、
オートバイという小さな車体に積み込み、
それでも車両重量は150Kg程度で、
最高速度は時速300キロ以上となっています。
 このような極限状態で、世界各地を転戦して、
過酷なレースを行うのです。
 このロードレース世界選手権は、歴史のあるレースであり、
オーバイメーカーは、世界に多数あったはずですが、
結局、上位で残ったのは、日本のメーカーとなったのです。
 このような話は、日本の製造業にとって、
大変、参考になる話だと思います。
がんばれ、日本の製造業。
 大事に育てられ、優等生ばかり多くなった日本。
それでは、世界では戦えない。
 しかし、ホンダ、ヤマハは、今も、サムライがいて、
世界で戦っている。

MotoGP 2011 9 23
 今年(2011年)も10月2日に「ツインリンクもてぎ」サーキットで、
MotoGP世界選手権シリーズ第15戦日本グランプリが開催されます。
 私は、ケビン・シュワンツ選手が引退してから、
モーターサイクル(二輪)の世界選手権は、もう見ないと思っていたのです。
 着実にポイントを稼げば、チャンピオンになれたのに、
毎回、優勝するか転倒リタイアするかという激しいレースを展開した、
シュワンツ選手の戦いを見るのが楽しみだったのです。
 しかし、最近、再び、MotoGPを見るようになりました。
陽気で明るいロッシ選手が、レースとなると激しい闘争心を見せ、
哲学者のような雰囲気のロレンソ選手が、
レースとなれば、激しくロッシと戦う。
時には、ポイントを稼ぐことを忘れたかのようなレース展開となります。
 2010年日本GPでは、時速300Kmの世界で、
まるで肩と肩がぶつかり合うようなレースでした。
両者の戦いで、最も印象に残ったのは、2009年カタルニア・グランプリでしょう。
 さらに、MotoGPを盛り上げてくれるのは、
情熱の塊という印象のストーナー選手でしょう。
 今年は、福島原子力発電所の事故を受けて、
栃木県の「ツインリンクもてぎ」で、
世界選手権シリーズは開催できないのではないかと思われましたが、
無事に開催できるようです。
 このレースでの熱い戦いが、
震災復興を目指す人たちの励みとなるように祈ります。
 さて、私がMotoGPに関心があることを意外に思った人が多いでしょう。
私は、疲れがたまってくると、あるいは平凡な日々が続くと、
闘争心というか、「戦う心」が失われてくるのです。
「戦う心」は、生命エネルギーの源泉のひとつです。
 現代日本人に欠けているのは、戦う心、戦う意欲でしょう。
優等生ばかり多くなった日本。


































































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